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性能改修をする人の3つの共通点

住宅改修を決断される場合、多くは改修以外の選択種を検討されてきた方が多いように思います。今ある中古住宅を壊して建て替えるか、あるいは別の場所で新築住宅を立てるか、あるいは賃貸物件に住み替えるなど。

様々な選択種の中から、中古住宅の性能改修を選択された方には、3つの共通点があるように思っています。


1ライフステージが変化するタイミング

一つ目は、新築や建て替えにも共通する動機です。

子どもたちが独立したことによる同居家族の減少し、使わない部屋が増えている。そして、加齢による健康や体力面の変化に合わせ、居住環境を見直したいなど。住まいが住まい手のニーズに合わなくなってきたので、それを改善したい、という動機です。

具体的には使わない部屋がたくさんある広い家は光熱費がかかるのでなんとかしたい、加齢で暑さ寒さが堪えるようになったので、快適性を向上させたい。階段の上り下りを避けて1階で生活完結するように間取りを変更したい、床や浴室をバリアフリーにリフォームしたいなどなど。

ライフステージの変化は子育てが終わるときだけに限りません。2世帯同居を始める、中古物件を購入した、中古住宅を相続した、などという場合に、新しく住み始める若い夫婦や小さな子どもに合わせ、できる限り新築に近い性能を持った建物へのリフォームを希望される場合があります。


2 快適性、安全性に対する意識の高さ

性能改修をご希望される方は、すでにいろいろなメディアで建築の性能について勉強されている方が多いです。光熱費や健康面、安全面で、長期的に考えると性能改修にメリットがあることを勉強されている方、そして中古住宅であっても、性能改修によって新築に近い性能を得る手段があると知っている方です。

感覚に意識の高い方もいらっしゃいます。家の寒さに長年苦労されてきた方や寒がり、暑がりの方など。北海道では特に暖かさに対する要望が多いですから、温かい家に改修することを望む方は多いです。ご高齢の方はもちろん、室温に敏感なペットや小さなお子さんがいるご家庭も、快適性に関する意識が高い方が多いです。多くの方は、暖房器具の増強や内窓の追加、居住空間の縮小などをご希望されるのですが、より専門的な気流止め工事や断熱材の増強などのご提案にも、感覚に意識の高い方は納得頂ける場合が多いです。


3 建物への愛

そして、性能改修を選択する方の3つ目共通点、それは、「建物への愛」ではないかなと思います。建物のデザインだったり、そこで暮らした思い出だったり、やっぱりこの家はいい家だと思う愛情があるからこそ、建て替えや住替えという選択肢を選ぶことなく、性能改修に費用をかけて古い家により良く住み続けたいと希望されるのだと思います。

現に性能改修を選択するお客様は、最初に建物をご案内いただくときに、建物の良いところをたくさん教えてくれます。建設時や住んでみてからの苦労話すら、楽しくお話してくれる姿からは、住まいへの愛が伝わってきます。

性能改修を手掛ける建物は私から見ても素敵な建物が本当に多いです。中には建築家が建てた注文住宅もありましたが、伸びやかで気持ちの良い間取りだったり、素材に工夫が凝らされていたりして到底取り壊すことなど考えられない建物でした。

性能改修を選択されるお客様は、決して住宅のデザインに興味がないわけではありません。むしろ、住宅のデザインについて高い審美眼があり、建物の新しい古いにとらわれず、建物のデザインの良さが理解できる方が多いように思います。



断熱改修と耐震改修を行った築27年の建物。外装の素材や色は、建設時に近いものを選んで更新した。 周囲はマンションに建て変わっているが住まい手は長年住んだ土地と建物に愛着を持っている。

性能改修実現の鍵は「建物への愛」

性能改修は、想像よりも費用がかかります。いざ計画しても工事費が高く、残念ながら実施に至らない場合もありました。

それでもなお、性能改修を実施に至る方は、上記の3つの動機を重ねて持っていらっしゃる方が多いと思います。

特に、性能改修成功の鍵は、「建物への愛」なんじゃないかと思っているところです。

素晴らしい建物と愛のある住まい手に出会える性能改修は、設計者としてもやりがいのあるお仕事だと感じています。


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